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手付かずの自然が残る沖縄の渡名喜(となき)島が舞台の本作。長澤演じる凉子は、美しく明るく活発で、まさに島の宝物のような娘。幼なじみの一也(良知真次)と恋に落ち、結婚の約束をするが、一也は海の事故で命を落としてしまう。ショックのあまり心を閉ざしてしまった凉子を演じた長澤の演技は、悲しみと狂気の境をさまようかのようであり、いまだかつて目にしたことのない表情を見せる。静かな迫力があり、悲しみに凍りついた能面のような表情からは、すごみすら漂う。まさに、この作品を機に長澤が女優として大きく成長したことを感じさせてくれるのだ。
中川陽介監督は、長澤をキャスティングした理由について、「どんなに傷ついても、この娘はきっと立ち直ると思わせるダイヤモンドのような硬質な輝きがあったから。そんな魅力を持つ女優は長澤さん以外にはいないと思った」と断言する。また、凉子の父親・龍二を演じた佐々木蔵之介も「前半の素直で明るい凉子、後半の心の病を負った凉子、どちらもとても美しく、存在感があった」とコメント。佐々木が言うように、凉子という役は同じ一人の女性でありながら、前半と後半でまったく異なるキャラクターとなっており、その分、高度な演技力も要求される。これまでの出演作では明るくさわやかな役柄が多かった長澤だが、本作では人間の陰の部分も鋭く表現し、観る人の心に余韻を残す難役を、見事に演じ切っている。そして、暗くなりがちなストーリーを、その凛(りん)とした美しさでキラキラと輝く作品に仕上げ、さらに大人の色気も感じさせてくれている。
深い緑の木々、吸い込まれるような青い海……、渡名喜島(となき)の大自然にも負けない長澤の美しさと、ひと皮むけた演技力を存分に堪能することができる本作。再生と希望を感じさせるラストシーンには、誰もが涙することだろう。
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